効率化系の本でこの手の本を読んだことのある人からすれば、どこかで見たことのある内容が多いかと思います。
非常に読みやすい本で、1時間もあれば十分読める感じです。
シンプルにまとめられているので、こういった本をあまり読んだことのない人に対して入門書として最適と思いますし、研究している人も再度整理の意味も含めてざっと読んでみるのもよいかと思います。
本書は、自分だけの3時間を作るための4週間プログラムという目標を掲げて、1週目~4週目にかけてやるべきことを順をおって説明してくれています。
対象者は、
・仕事が多くて、いくら時間があっても足りない
・「時間さえあれば……」と、先のばしにしていることがたくさんある
・毎日忙しすぎて、プライベートの時間が取れない という思いを掲げている人。
著者の15年前の時間の使い方。
6時:眠い目をこすりながら、ゆっくり起床する
8時:慌てて自宅を出る9時:始業ギリギリに事務所に到着
9時〜:メール返信、部下からの相談や顧客対応、前日の残務処理に追われる
12時〜:昼食もそこそこに、今日やりたかった仕事にようやく取りかかる
18時:定時に仕事が終わるはずもなく、残業開始
23時:終電に合わせ、事務所を出る
1時:手早く入浴をすませ、就寝。→午前6時に起床
そんな著者が今では、
1人ですべての業務を行っているにもかかわらず、仕事は15時までに終わらせ、18時までの3時間を自分のためだけに使っています。
とこんな感じに。
そうなるためのプログラムを本書で学んでいこうというものです。
ざっと私の気になったポイントをまとめます。
(私がよく他の本でも見ていた部分は割愛気味で紹介します。)
1.今ある仕事の中から、本当に今日の終業時刻までに終わらせるべきもので、かつ、その時間内に終わらせることができる仕事の分量だけ、セレクトしてやるよう発想を変えるのです。
2.自分の時間をもち、その時間をスキル向上や資格取得、あるいは人脈形成などに投資すれば、必ず目先の残業代以上の経済的効果を生み出します。
3.食事は就寝3時間前にすませる食事と入浴の間は1時間以上あける入浴後、就寝までの間隔は1時間です。
4.「仕事の渋滞」とは、次のような状態のことを指します。
・仕事をこなしても、量が減るどころかどんどん溜まっていく(量の問題)。
・仕事が思うように進まず、時間ばかりかかってしまう(速さの問題)。
つまり「仕事の渋滞」を引き起こす原因は、仕事のスケジューリング(整理・把握)の未熟さによるもの
5.仕事は締め切り日の順番でやるべきです。ほとんどの仕事には期限(納期)があります。
5.仕事の質を落とさず、かつスピードを上げるために、次の2つを強く意識するようになりました。
・仕事が溜まってきたとき、慌てずに、1つひとつの仕事を見失わず、優先順位を見極める仕組みを作る。
・目の前の仕事を1つひとつ片づけていくことが、「急がば回れ」でとても大切なので、そのための環境を作る。
6.仕事のやる順番を工夫する(優先順位を締め切り順とする)だけで、30分から1時間は早上がりできる
7.仕事の渋滞をなくすには、まず「仕事の整理」をしなくてはいけません。
8.自分が今やらなくてはならないことを、具体的にすべて紙に書き出してください
9.仕事の管理は週単位、月単位の予定を、上空から景色を眺める鳥のごとく「俯瞰」することが大切
たな卸しした仕事を、見開き1カ月のマンスリーダイアリーに1つひとつ転記していきましょう。
10.仕事とは、定められた期限まで膨張してしまう、と言われています。なぜなら人間は「○月○日が期限だ」と思うと、無意識にそこまでに終わるようなペース配分をしてしまうものだからです。
11.1時間のタスクが6つだと思うと少しは気がラクになりますよね。
12.アメとムチの「アメ」として、仕事の合間に、次のように組み込むようにしています。
・お茶やコーヒーはとびっきり美味しい物を用意し、仕事を完了させるたびに、それらを飲むことを自分に許可する。
・今日1日の決められた仕事を日没前に完了したら、大好きなビールを「1人打ち上げ」と称して飲むことを自分に許可する。
・最初に、少し気乗りのしない仕事や困難な仕事をするようにして、それが終わったら好きな仕事や得意な仕事をやるようにする。
13.ポモドーロテクニックとは「25分間仕事に集中→5分間休憩→25分間仕事に集中→5分間休憩……」を繰り返すことで、目の前の業務に集中でき、しかも集中力が切れないという仕事術です。
この「25分(集中)・5分(休憩)・25分(集中)・5分(休憩)」のリズムで仕事をすると、7〜8時間はぶっ通しで、集中力を持続したまま仕事を続けることができます。
14.平均的なビジネスマンは、なんと探し物をするためだけに、1年間で約150時間を費やしているそうです。150時間とは、1カ月間の労働時間に相当します。
しかし、平均的なビジネスマンが150時間かけているということは、今まで無頓着だった人ほど、工夫をすれば、その時間は必ず減らすことができるということです。
15.環境整備としての整理整頓ですが、これはいつ行えばいいのでしょうか。私のオススメは、「朝15分、夕方15分に限定。かつ、必ずやるようにする」
毎日朝夕で30分やっていれば、時間をかけずに常にきれいな状態を手に入れることができます。
16.仕事の整理整頓術の第一歩は、なんといっても「紙の電子化」です。
17.何か新しい物を入れるのであれば、何か1個捨てるか、使い切ってからにする、あるいは新しい物が「欲しい」と思ったら、今ある物で代用できないか考えることを心がけるようにするのです。というのも、物を増やさないことは、時間をかけずに整理整頓できる、最大のコツだからです。
18.物に対して「これは本当に必要だろうか」と常に疑問をもつ姿勢は、人とのつき合い方や仕事の仕方など、物質以外の面にも次第に影響を及ぼしていきます。
19.定期的に発生する業務については、必ずマニュアルを作りましょう。マニュアルとは「教科書、手順書」です。ところが、ベテランで自分の仕事に慣れた人ほど、マニュアルを軽視しがちです。
20.儀式のような打ち合わせはしない
21.「多くの人に浅く支持されるより、理解者から深く愛されるよう努力する」。